2016年3月7日月曜日

安心して食べる。

ご無沙汰しております安食雄太郎です。
ふざけたことを書いてお茶を濁そうかと思いましたが、最後の機会なのでちゃんと真面目なことを書きます。
私を知らない方もいると思うので、共感してくれる人がいればよいという気持ちで。


私の話のテーマは「常識」です。
下級生への説教ではありませんよ!!
論文ではないので物語で話を進めます。


あるところにAくんとBちゃんがいた。
B「ねぇAくん、駅伝について教えてくれないかしら」
A「えっ、駅伝に興味があるの!?」
B「ええ、とくにお正月にやっている箱根駅伝について興味があって。やっぱりあのくらいのスピードで走るのは大変なの?」
A「もちろん!彼らはロードなのにキロ3で何十キロも走っているんだ。トラックなら周72で二万のペーランする感覚だよ。俺なら彼らの三部練のうち朝練も無理だろうね」
B「…」


また次のような話もある。
大学生ランナーCくんは算数が苦手だった。
二人で池の周りをそれぞれ逆から走る計算とか、分速を時速になおしたりする計算が不得意だったのだ。
ところが、私がたとえば「1kmを4分で」とか「トラックの周りを」などと単位を陸上算に変換してやると、完璧とまではいわないが、極めて正解に近い値を即答したのである。


多少の脚色はしているが、以上は私の体験談だ。


これらの話でわかるのは、ある人にとっての常識が他人にとっても常識であるとは限らないということである。
Aくんは陸上部の常識のせいで、陸上語が素人にも通じると勘違いをしてしまった。
Cくんにとっては長距離関係の計算は常識であったが、それを一般化した算数はまったくできなかった。
陸上経験者と素人とのあいだには、知らず知らずのうちに大きな懸隔が生じてしまっているおそれがある。


やや特異な例を持ち出してしまった。
みなさんのなかには「俺はそんなことねーよ」とお思いになる方もいるだろう。
しかしそんなことはない。
私は覚えているぞ、つい最近まで「お前進路どうするの?法学部だから弁護士になるのか」とか「法学部の勉強って六法全書暗記することでしょ」などと諸君が私に問うてきたのを。
これは東北大学陸上部の長距離ランナーに対して「箱根駅伝に出場できるようにがんばってね」と応援するくらい的はずれな質問なのだ。
「常識」の食い違い現象は分野を問わず、私たちの身近で起こっている。


私はここでAくんやCくん、そしてみなさんを非難したいのではない、むしろ逆だ。
陸上競技や勉強に取り組むみなさんが、知らず知らずのうちに、大きな成果を手にしつつあることに気づいてほしかったのである。
私はさきほど、陸上経験者と素人とのあいだの隔たりや食い違いを「おそれ」と表現したが、見方を変えればそれは努力の成果である。
Aくん得意の陸上トークもリク女にはウケるかもしれないし、Cくんの陸上算もときには立派な武器となる。
そして、こうした成果はものごとへの真剣な取り組みのなかからしか生まれてこない。


これは勉強についてもいえることだ。
たとえば理系のみなさんはよく「実験!実験!」と言うけれど、私などは加速度の公式や元素記号もおぼつかないのである。
理系諸賢の「常識」は、私のものよりもはるかに水準が高い。
これは日頃の努力の差というべきだろう(誤解がないように付記するが、物理や化学はこれから必ず勉強します)。


以上で私が伝えたかったのは、陸上競技も勉強もしっかりと取り組めば、たくさんの「常識」(または経験や教養とでもいうべきか)を身につけられるということだ。
「常識」がたくさんあれば、社会でも活躍できるし、それだけではなく生き方も豊かになると思う(陸上をはじめてからマラソンを見ると見方が違うでしょ)。
私がそう感じるのだから、ましてみなさんにはいっそう効果があるはずだ。
最後にその効用を示す実例をひとつ紹介する。


こういうことがあった。
就職活動の最中、バスが渋滞して面接に遅刻しそうになった。
そこで私はひとつ手前のバス停で降りて、面接会場まで長距離走をした。
結果、遅刻せずに到着することができ、そのときの時刻なんと開始一分前だった。
図らずもこれまでの練習の成果が遺憾なく発揮されたのである。
まあ、その面接で落ちたんですがね(笑)。

末筆ながら、東北大学学友会陸上部の皆様のますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。




次は同じく4年生の北原にお願いします。




※進路や勤務地等、私の個人情報はSNS等には書かないようにお願いします。知人として個別にご連絡くだされば必ず返信します。

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